難聴と認知症
シニア 耳・鼻・喉
加齢に伴い、日常生活で周りの音や話し言葉が聞き取りにくい、テレビの音量が大きくて家族から注意されるなど、このようなことが多くなってきます。これは、白髪が増えて老眼になるように、老化現象の一つで誰にでも起こり得ることです。音の刺激が少ない状態が続くと脳内に変化が起こり、その結果、認知機能に影響を及ぼし、徐々に社会的な孤立状態となってしまいます。難聴は、認知症の危険因子の一つと言われています。加齢による難聴を薬で以前の聴力に戻すことは現代の医療では難しいため、助けとなるのは補聴器の使用です。しかし、補聴器は眼鏡とは違い、誰でもすぐに使いこなせるわけではありません。聴力検査の結果から、適切なフィッティング・試聴・トレーニングを重ねることが必要です。「人生、100年」と言われる現代です。さまざまな社会参加を少しでも多くするには、積極的に音の刺激を受けることがとても大切です。
(2020年4月執筆)