心雑音を指摘されたら
胸部・腹部 診療のこと
健康診断などの内科診察や実際に病院を受診したときなどに、心雑音が見つかることがあります。心雑音は主に聴診器で胸の音を聞いたときに、心臓から聞こえる雑音ですが、まれに自分でも胸から聞こえる人もいます。
成人の心雑音のうち、病的な原因で多いものは「弁膜症」です。これは心臓の中にある血液の逆流を防ぐ弁の開閉に異常が起こる病気です。弁膜症の治療は、数年前まで胸を真ん中から開き一時的に心臓を止めて人工の弁に取り替える大手術が必要でしたが、最近ではカテーテルを用いて人工弁を入れたり、弁をクリップで留めたりする体に負担の少ない新しい治療もできています。これらの新しい治療により、これまで手術が難しかった高齢の人や合併症のある人も治療を受けられるようになりました。
心雑音を指摘されたときは超音波検査などで原因を調べ、治療や定期的な診察が必要かを診てもらうと良いでしょう。
(2019年9月執筆)