アトピーによる眼の合併症
目 診療のこと
アトピーは眼にも合併症を起こすことがあり、中には視力低下につながることもあります。例えば白内障。白内障は通常は加齢性変化ですが、アトピーがあると若いうちから白内障を生じて見えにくくなることがあります。白内障手術により視力回復はできますが、若いうちに白内障手術をすると調節力(ピントを合わせる力)が失われるため、老眼の症状が出てきます。このため手術して視力回復した方が楽か、手術せずに調節力を温存した方が見やすいか、よく検討する必要があります。
次に網膜剥離。網膜剥離は手術しないと失明の恐れがあります。原因としては、かゆさを和らげようとたたくため外傷性の網膜剥離を起こすという説もあります。白内障が急に進んだときも網膜剥離が隠れている場合がありますので、眼底を検査する必要があります。
見え方に異常を感じた場合は、早めに眼科で検査を受けてください。
(2019年3月執筆)