おうちで最期まで過ごすには? (5)
薬 診療のこと
「良く生きるために心と体の苦痛をとる」自宅でのがん緩和ケアは、現在いろいろなバリエーションが選択できます。患者、家族が抱えている苦痛を早期に診断し、適正に治療することで、自宅での生活向上を図ることが可能になります。がんの痛みの治療に用いられる代表的な医療用麻薬は「モルヒネ」です。痛みや呼吸困難感を改善する力を持つモルヒネは、延命作用を持つことも報告されています。モルヒネには、末(粉薬)・錠剤・徐放剤(ゆっくりと長時間効く薬)・内服液・貼付剤・坐剤・注射剤・シリンジ注射など多くの剤形が揃っており、種々の痛みに対応できます。
自宅では、これらのさまざまな種類の麻薬を医師・看護師・薬剤師などと協力しながら管理していきます。医療用麻薬は、痛みがある状態で使用すると、中毒にならないことが分かっています。副作用に対しても、さまざまな薬や対処法が開発され、十分に対応できるようになっています。
(2018年9月執筆)