尋常性乾癬
皮膚 診療のこと
乾癬(かんせん)と言う皮膚疾患があります。同じ「かんせん」でもウイルスや細菌などによる感染症とは違うため、人にうつることはありません。症状は、境界の明瞭な紅斑ができて銀白色の厚い皮がパラパラむけてくることが特徴です。痒みはあることもないこともあります。好発部位は被髪頭部・四肢伸側・腰臀部ですが、爪を含めて全身の皮膚に生じます。通常皮膚の代謝は28日と言われていますが、これが4〜5日と短縮することによって症状が現れます。幼少時には稀で、30歳前後で発症すると言われています。
治療は乾癬の重症度に応じます。軽症の場合は、外用薬(ビタミンD3軟膏やステロイド軟膏)を使用します。中等症から重症では外用薬に加えて光線療法や免疫抑制剤の内服治療(シクロスポリン、レチノイド)、さらに生物学的製剤などの全身的治療が行われます。根治させることは難しい皮膚疾患ですが、適切な治療を組み合わせて症状を和らげていきます。
(2018年5月執筆)