シックサイナス・シンドローム
胸部・腹部 診療のこと
Sick Sinus Syndrome(SSS)は心臓収縮のペースを司っている洞結節の病気です。洞結節は右心房壁にあり、そこから心房と心室に弱い電気刺激が伝わり、心臓がリズミカルに収縮します。SSSでは収縮のペースが狂い、徐脈や頻脈、あるいは脈が止まります。
症状はめまい、立ちくらみなどが起こり、脈拍数が30〜40回/分以下になったり、5〜10秒以上心臓が停止すると意識消失発作を起こすことがあります。原因は虚血性心疾患・高血圧・心筋症などがありますが、90%は原因不明であり、加齢によると言われていますが、比較的若い人に起こることもあります。
診断には発作時の心電図が必須ですが、いつも異常な心電図を示しているとは限らず、24時間心電図検査が繰り返し必要なこともあります。意識消失など重篤な発作を起こすと、交通事故やさまざまな事故の原因になることがあるので、充分な検査が必要です。
(2018年5月執筆)