塩分制限と心血管
予防 血液・血管
厚労省の指針によると生活習慣病や高血圧予防の観点から、塩分の1日摂取量の目標値は18歳以上の男性は8g、女性は7gです。日本人の平均摂取量は各々11.1g、9.4gと発表されていますが、塩辛い食物の好きな諸兄ではかなり多いと推測されます。血中の塩分濃度が高くなると浸透圧の差で血管周囲から血管内に水が流れ込み、腎臓も尿を少なくして体内に水分を保持する結果、血中の塩分濃度は適切になります。
しかし、水分が血管内に入った分、血液量が適量を超えて心臓や血管が張った状態になってしまいます。この緊満状態が慢性的に続くと血圧が上昇し、心臓に負担をかけることになります。特に心不全や心臓手術後などではごく軽い緊満状態でも心機能が大きく低下するので、厳しい塩分制限が必要です。
日本人の塩分摂取量は欧米に比べて多いことが知られています。日頃から塩分摂取量には注意してください。
(2017年10月執筆)