
近視の進行を防ぐ方法
予防 目 診療のこと
前回のコラムでは、小児期の近視進行(眼軸の伸び)を防ぐことで、将来の網膜疾患や緑内障などの重篤な眼疾患リスクが減少する可能性があることをお話ししました。近年、手元を見る時間の増加などの環境要因の影響で、世界的に近視人口が急増しており、この分野は国際的にも非常に注目されています。今回は近視進行を抑制する具体的な方法についてご紹介します。
現在、国内で利用可能な治療法としては、低濃度アトロピン点眼薬、オルソケラトロジー(特殊なハードコンタクトレンズ)、多焦点ソフトコンタクトレンズ、レッドライト療法があります。また、海外では近視進行抑制眼鏡が高い効果を示していますが、国内未承認です。いずれの方法も、すでに伸びてしまった眼軸を元に戻すことはできないため、進行する前の早期からの治療が重要といわれています。特に家族の近視が強い場合や、近視関連の眼疾患を持っている場合は、積極的な対策が勧められます。
(2025年8月執筆)
