血圧が下がりにくい?
血液・血管 診療のこと
高血圧の薬を飲んでも血圧が思うように下がらない人の中には、通常の高血圧症ではなく、血圧が上がりやすい病気が隠れていることがあります。その代表が「原発性アルドステロン症」という病気です。
この病気は、腎臓のそばに左右一対ある副腎という臓器から、アルドステロンというホルモンが過剰に出るために起こります。アルドステロンは体内の水分や塩分などを調節する大切なホルモンですが、多過ぎると高血圧になります。原発性アルドステロン症は意外に多く、高血圧の約1割がこの病気によるものといわれています。
若い頃から血圧が高い人や、治療をしても血圧が下がりにくい人などは、この病気かもしれません。まずは血液検査を行い、疑わしい場合は画像検査などの詳しい検査で診断をします。治療は、片側の副腎が原因の場合は手術、両側の場合はアルドステロンの働きを抑える薬を服用します。
(2024年9月執筆)