がん患者の在宅療養環境
シニア 成人 診療のこと
2007年、がん対策基本法施行に伴うがん診療連携拠点病院の整備や緩和ケアの強化、がんになっても安心して暮らせる社会構築としての在宅療養環境整備が図られたことにより、終末期がん患者であっても、住みなれた自宅で死を迎えたいと希望すれば療養環境を整備することが可能になってきました。
その際、緩和ケアの充実、在宅医療の支援、がん患者や家族などに対する相談支援、がんに関する情報収集・提供などが重要になります。「がん患者だから入院」というようなパターン化された調整ではなく、患者・家族の状況や意思決定に応じた療養生活支援を創造していくことが、在宅医の役割でもあります。
療養環境の調整はパターン化するものではなく、患者や患者家族の意思決定が実現されるべきです。在宅医や介護支援専門員を中心とした多職種連携による、さまざまな在宅医療や介護サービスで支援することが大切です。
(2023年12月執筆)