インプラントでも歯周病に注意
口・歯 診療のこと
失った歯を補う治療法として多くの人が利用しているインプラント治療。人工の歯根として主にチタン製のインプラントを埋入させるのですが、そのインプラントも天然の歯と同じように、インプラントと歯茎の隙間に歯垢が溜まっていると歯周病菌が増殖し、歯茎の炎症やインプラント周辺の骨が溶けるなど、インプラント周囲疾患を起こすことがあります。
日本歯周病学会の発表によると、インプラント治療後3年以上経過した患者267人を調べたところ、約10%の人がインプラント周囲疾患になっていたと報告されています。
インプラント歯周病ともいわれるこの疾患は、歯周病と同じように重度まで進行しなければ自覚症状が分かりにくいという特徴があります。この疾患を防ぐには予防をすることが第一です。インプラント治療を検討しているのであれば、先に虫歯や歯周病治療を行い、お口の環境を健康にしておくことが大切です。また、治療後も毎日行うお口のセルフケアとともに、2~3か月に1度程度は歯科医院でのプロケアを心掛けましょう。
時間と費用をかけて行ったインプラント治療です。また失うことのないように、忙しいときほど念入りにお口のメンテナンスを行い、「しっかりかめる」を維持しましょう。
(2023年12月執筆)