アデノウイルス感染症
季節の注意 感染症
アデノウイルスには少なくとも70もの血清型(タイプ)があります。型によって発症する病気に違いがあり、咽頭炎・扁桃炎・結膜炎・肺炎・胃腸炎・肝炎・出血性膀胱炎などさまざまな病気を引き起こします。
この中の一つが、最近流行しているプール熱(咽頭結膜熱)です。プール熱は結膜炎(目やに・充血)、咽頭炎、発熱が3大症状で、他のかぜ症候群を起こすウイルスに比べて結膜炎が強めで、高熱かつ有熱期間が長い傾向にあります。プール熱ではないアデノウイルス咽頭炎も5日前後の高熱が続きます。
診断は周囲の流行状況や臨床症状から判断しますが、他の感染症、特に咽頭炎だけの場合は溶連菌感染症と区別しにくいため、迅速診断キットを使います。治療は、解熱剤などによる対症療法のみで特別な治療法はありません。予防にはアルコール消毒は有効でないため、石けんと流水での手洗いと咳エチケットが大切です。
(2023年11月執筆)