高齢者の頻尿について(3)
シニア
「夜間頻尿」はよくある症状で、睡眠の妨げになり、さまざまな原因があります。日中は重力で下肢に水分が溜まり浮腫(むくみ)になりますが、夜に横になることによって浮腫の水分が血管に戻って尿になります。また加齢により弱ってきた心臓のポンプ機能が安静になると働きが回復して、腎臓に十分な血流を送り腎臓の尿の産生を助けます。
さらに加齢に伴う膀胱の筋力低下が原因で、膀胱容量の低下が起こることでも夜間の排尿回数が増えます。眠りが浅く、すぐ目が覚めてその度に気になってトイレに行くことや、水分や塩分の摂り過ぎでも尿が増えることがあります。
多くの要因が関連し夜間頻尿が起こるので、病態に応じた治療方法を組み合わせて治療します。睡眠の質の悪化は日常生活に影響を及ぼしますので、自分で飲水量を減らすなどしてじっと我慢しようとは思わず、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
(2021年5月執筆)