人は体内時計には逆らえません
心・精神 薬
「人がコントロールできるのは起きる時間だけ、寝る時間は決められない」というのが睡眠衛生の最も知られていない基本です。「不眠」のほとんどは、うつなどで睡眠メカニズムが障害されない限り、「寝起きのリズム(体内時計)の問題」と「不眠恐怖」です。若い人の不眠は朝起きるのが遅くなること、年配の人は必要な睡眠時間が減ることで寝つけなくなります。
ここで安易に睡眠導入剤を服用するのは、発熱しているからと何でも解熱剤と抗生剤を飲むようなものです。しかも、依存性の大きい睡眠導入剤を長期にわたって飲んでいるがための不眠が実に多いのです。睡眠時間にこだわらない、眠くなってから寝る、眠れなければいったん起きる、朝起きる時間を徐々に早くし、陽の光を浴びる、薬が必要なら依存性の少ないものに徐々に(!)切り替える。これを丁寧に相談していければ、ほとんどの不眠は改善します。
(2020年1月執筆)