加齢に伴う皮膚の痒み
季節の注意 皮膚
加齢に伴い皮膚の表面が薄くなり、皮脂や天然保湿因子の産生が減少すると、乾燥肌となってきます。さらに皮膚が薄くなることによって痒みの知覚神経が表皮内に進入し、温度の変化や衣服の接触といったちょっとした刺激で痒みが出現します。このように、高齢者の皮膚は乾燥しているため、明らかな皮疹がない場合でも痒みが出現することがあります。
また、皮膚を掻くことによって湿疹化していくこともあります。湿度の低い冬場はこれが顕著となります。このような症状に対しては、保湿外用剤で皮膚に潤いを与えます。痒みが強い場合は、ステロイド外用剤を一時的に使用します。体全体が痒い場合や一人暮らしの高齢者で背中など手の届かない場所が痒いときは、痒みを抑える内服薬を併用することもあります。また、体を洗う際にタオルなどで強くこすることも皮膚乾燥の原因になるため、優しく手だけで洗うようにしましょう。
(2019年11月執筆)