アンパンマンは、家族も救う内科
胸部・腹部 診療のこと
少し前に土俵上で挨拶をする市長が意識を失って倒れ、観客の女性が土俵に上がり「心臓マッサージ」をしたという報道がありました。心臓マッサージは、心臓が止まった時に心臓の代わりに血液を脳などに循環させるための手段です。日本では約8分間に1人の割合で突然の心停止により亡くなっています。その8割が自宅で起きており、身の回りでも十分起こり得ます。
その場面に遭遇したとき、大切な人を亡くさないために最初にすべきことが心臓マッサージです。これにより亡くなる確率を5分の1に減らせます。声を掛けても反応しない場合は、仰向けに寝かせ、胸の真ん中を両手で強く、1分間に100回の速さで押し込みます。この速さは「アンパンマンマーチ」のリズムと同じです。
口から息を吹き込む人工呼吸は必要ありません。意識が戻るか、救急隊が到着するまで休み無く、ひたすらマッサージを続けてください。
(2018年12月執筆)