マダニの恐怖
ペット 季節の注意
この季節になると公園や近所の草むらでもマダニが活発に活動を始めます。マダニは800以上もの種類があり、あらゆる環境に適応・生息できるため世界中で問題になっています。吸血と唾液の分泌を繰り返すために特別な口器を持ち併せています。鋏角(きょうかく)、口下片(こうかへん)という皮膚を切り、口を侵入させる構造を持ち、口からセメント様物質を注入し皮膚に固定させます。この構造によりしっかり固定し数日間は寄生し続けます。
吸血後の体重は、吸血前の200倍にもなることがあります。血液中の栄養素を濃縮し、大量の水分を唾液として宿主に吐き戻します。唾液の中には抗血液凝固や抗炎症活性があり、宿主の反応を抑制しています。犬・猫のみならず人間に対しても貧血や皮膚病の原因になるだけでなく、恐ろしい病気まで媒介します。次号よりマダニが媒介する恐ろしい病気を紹介していきます。
(2016年7月執筆)