起立性低血圧
予防 季節の注意 血液・血管 頭部・首・肩
立ち上がった瞬間にクラッとした、そんな経験をしたことがある人は多いと思います。坐位、あるいは臥位から立位になると頭や胸の血液が重力で下肢や腹部に大量に下がろうとしますが、体は下部の血管を締めて上部の血液量を保ちます。しかし何らかの原因でこの調節がうまくいかないと、頭の血液循環量が減少し、血圧が低下します。まさに「脳貧血」となるわけです。立ちくらみやめまいを起こし失神することさえありますし、倦怠感や易疲労感などを伴う場合もあります。
起立性低血圧は加齢により起こしやすくなりますが、自律神経失調症や降圧剤・利尿剤・向神経薬などの内服薬も一因となり得ます。特に暑い季節には誘因となりやすい脱水症や睡眠不足などに気を付けなければいけません。気を付けているのに頻回に起こるときには、主治医に相談してください。隠れている疾患があることがあります。
(2020年6月執筆)