高尿酸血症
血液・血管 診療のこと
人体は常に古い細胞を壊し、新しい細胞を作る新陳代謝を繰り返しています。この時、細胞の核にあるプリン体は分解されて尿酸になり、約7割は腎臓で尿中に排出されるのです。尿酸が多くなると過剰な尿酸が血中で尿酸塩となり血管や組織に沈着して、痛風や腎機能障害の原因になります。
高尿酸血症は若い男性にも多く、30歳以上の男性の30%は高尿酸血症と言われています。高尿酸血症では肉やレバーなどプリン体を多く含む食べ物を制限した方が良いと考えられてきましたが、大半は腸内で分解され排出されるので食べ過ぎなければ影響はないことが分かってきました。しかしビールを含め酒類は、どれも血中の尿酸を増加させ、しかも排出を低下させるので制限が必要です。
慢性的な高尿酸血症は痛風発作がなくても腎臓機能を荒廃させることが指摘されており、生活習慣を改善しても尿酸値が高い場合は治療が必要です。
(2019年1月執筆)