血痰それとも喀血?
予防 耳・鼻・喉 胸部・腹部
朝起きて、喉の奥に何か溜まっていると思ったら真っ赤な血だったとか、何となく咳をしたら痰に血が混じっていた。突然そんなことがあったら驚きますね。そもそも喀血とは声帯より奥の気管・気管支・肺から出血した血液を喀出することで、この血液が痰に混じっているのが血痰です。肺からの出血は肺がんや結核だけでなく、肺炎や気管支炎などでもみられ、大動脈瘤が破裂して肺内に大出血することがあることも知られています。大量出血は呼吸困難や窒息死を来すことさえあります。血痰や喀血を訴える人の中には、鼻・口腔・咽頭などの出血が原因のことも多くみられ、これは血痰・喀血ではありませんが、時には血液を肺内に吸い込むことがあります。血液は細菌にとって格好の栄養源であり、出血後に細菌性肺炎を併発する場合もあります。大したことは無いと思っても、必ず胸部レントゲン検査を受けましょう。
(2016年9月1日号)