
「起立性調節障害」について
心・精神
不登校の子どもには、たいてい「起立性調節障害」という診断がついています。実際立ちくらみが生じる場合もあるでしょうし、不登校は怠けではない、と納得できる点は好ましいのですが、からだだけに注目している感じがします。実際には昇圧薬で不登校が改善することは少なく、その他心身のさまざまな不調を合併していることが多いのです。
起立性調節障害と呼ばれる状態は、思春期特有のこころとからだの不安定さと、思春期に生じやすい睡眠リズムの後退とが混在して生じています。睡眠リズムが後退すると、夜更かし朝寝坊のリズムになり、朝の時間には、からだはまだ深夜の代謝の低い状態にあるので、血圧も体温も低いのです。この状態で無理に起きようとするとからだは不調を起こします。そこには思春期特有の、ことばにしづらいこころの不安定さが重なっているのです。
(2025年8月執筆)
