酒さ(しゅさ)
皮膚 診療のこと
顔の赤みが繰り返し出現する酒さという皮膚病があります。中年以降の女性に多く、顔面中央の部位、鼻・前額・ほほ・あごに紅斑や紅色丘疹が出現し、毛細血管が拡張して赤ら顔になります。ほてりや刺激感を伴うこともあります。病状が進むと、ニキビのような発疹が目立ち、さらに病状が進むと男性に多いのですが、鼻に膿疱や浮腫を生じ凸凹してくることもあります。
酒さは原因が不明で確立された治療法がないため、完治するまでに時間を要します。誘因・増悪因子と考えられる、紫外線、寒冷・温熱刺激、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒は可能な限り避ける必要があります。紫外線に対してはサンスクリーン剤を使用し、激しい運動を避け、強い気温差のある環境に曝さないことが大切です。ニキビのような発疹が出る際は抗菌剤配合外用剤を使用し、症状が強い場合は、抗菌剤を服用することもあります。その他、漢方薬が効果的なこともあります。
(2018年7月執筆)