腹部大動脈瘤
胸部・腹部
瘤とは嚢状のこぶのことで、近年の動脈硬化症の増加に伴い大動脈瘤も増加傾向にあります。進行しても症状がないことが多く、しかも破裂すると突然死に繋がる重篤な疾患です。
動脈硬化で血管壁が弾性を失いもろくなり、血圧で嚢状に広がったのが真性動脈瘤で、動脈硬化の好発部位と同じく、腹部大動脈が左右の総腸骨動脈に分岐する直上や、その周辺の大動脈に好発します。腰痛や腹痛を起こすこともありますが多くは無症状で、たまたま腹の拍動性腫瘤を触知したり、CT検査や超音波検査など腹部検査で、偶然に見つかることがあります。
外傷や先天性・炎症性の疾患に起因することもありますが、動脈硬化が圧倒的に多く、60歳以上・男性・高血圧・糖尿病・動脈硬化症・喫煙歴などが危険因子として挙げられています。しかし、これに当てはまらない人も、腹部検査の折には大動脈瘤の有無をチェックしておきましょう。
(2018年4月執筆)