のどの風邪かと思ったけど…
季節の注意 耳・鼻・喉 診療のこと
「のどが痛くて、熱もある」などの症状がある時は風邪を1番に考えますが、風邪と似た症状で区別がつきにくく、しばしば見られる病気に「亜急性甲状腺炎」があります。これは甲状腺という、ノド仏の少し下にある、大きめのチョウチョのような形をした臓器が炎症を起こす病気です。
甲状腺は体を活発にするホルモンを作っていますが、この病気にかかると、甲状腺のホルモンが急激に増えて、熱が出たり、汗が増えたりと風邪と似た症状も出ます。亜急性甲状腺炎と風邪との最大の違いは、風邪の場合は、外からノドを押しても痛みはありませんが、この病気の場合は甲状腺の一部を押すと痛みを強く感じます。また風邪は数日間で治りますが、この病気は数週間以上症状が続きます。症状の程度によってはステロイドなどを服用することもあります。
いつもの風邪と何か違うと思ったら、医師に相談してみましょう。
(2018年2月執筆)