
考える、ということ
心・精神
「考えないようにしている」「考えたくない」という人は多くいます。受診動機となった苦痛やストレスについて考えるとつらくなるのでしょう。それは不可避的な自己防衛といえます。依存症や自傷行為ですら同じです。しかしずっと考えないわけにもいかないでしょう。人間の「考える」という機能は、知的なものだけでなく、情緒とこころの健康に深く関わっています。私たちは自分について、自分の気持ち、苦痛、歴史について、深く考えることで、少しずつ苦痛と向き合って折り合いをつけていくことができます。すべての精神療法は、考えることを促す点で共通している、と言えるかもしれません。日本は考えることを放棄したのではないか、と不安になることがあります。思考放棄は私たちの生活とこころの健康を深く脅かしていくでしょう。熟慮、熟議に戻る必要を痛感するこの頃です。
(2026年2月執筆)













