安静時に起きる狭心症もあります
胸部・腹部 診療のこと
狭心症は、心臓に栄養や酸素を送る血管が何らかの原因で細くなり、心臓への血流が不足するために起こります。症状は胸の真ん中の痛みや圧迫感で、奥歯や左肩にも痛みが響くこともあります。
一般的な狭心症は歩行時や階段を上るなどの労作時に症状が出ますが、安静時に症状が出る「冠れんしゅく性狭心症」という狭心症もあります。これは冠動脈がけいれんにより一時的に細くなることが原因で、前触れなく突然に出現します。普通の狭心症は安静にすれば数分間で治まりますが、冠れんしゅく性の場合は自然に改善するのを待たなければなりません。
冠れんしゅく性の症状は明け方に多く見られ、胸の痛みで目を覚ます人もいます。この狭心症の多くは危険なものではなく、特効薬もありますが、中には症状が強くなったり、危険な不整脈の原因となったりすることもあります。疑わしい症状がある場合は医師に相談してください。
(2023年12月執筆)