おうちで最期まで過ごすには? 「治療栄養」
シニア
高齢者の低栄養状態は、通院患者10%、在宅医療患者30%と意外と多く、自宅や施設の食事だけでは低栄養が改善しないことがあります。そこで医師の管理する「治療栄養」が有効となってきます。「治療栄養」により、自宅で医師から処方される経口補助食品によって良好な栄養状態を保つことができるので、病気の治癒を促進したり、合併症や疲労感などを防いだりすることにつながります。また、体重が維持され、QOLの向上も認められています。
経口補助食品である半消化態栄養剤には医薬品と食品があり、医薬品は医師の処方が必要で保険適応になります。食品については入院中は食事として提供されますが、在宅では保険適応がなく、自費となります。通常の食事だけでは摂取量のむらが生じ、低栄養状態が改善せず進行するケースが多く見られますが、医師からの内服薬としての栄養剤の処方によって、継続的に栄養が補給され、低栄養も改善します。
(2020年3月執筆)